探偵業法は、探偵業務の適正化と個人の権利利益の保護を目的とする法律です。依頼者は、営業所の届出情報、契約前後の書面、調査結果の管理などを確認できます。ただし、届出があることは調査品質や料金を保証する認可ではありません。
探偵業者は営業所ごとに届出を行う
探偵業を営む事業者は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会へ、所轄警察署長を経由して届出を行います。複数の営業所がある場合は、営業所ごとに届出が必要です。
依頼者は、会社名だけでなく、契約する営業所の名称、所在地、標識に記載された受理番号を確認します。ウェブサイトと契約書面で名称が異なる場合は、どの営業所と契約するのかを質問してください。
届出があっても違法な調査はできない
警察庁は、探偵業者が業務を行う場合でも、他の法令で禁止または制限された行為ができるようになるわけではないと説明しています。生活の平穏を害するなど、個人の権利利益を侵害しないことも求められます。
依頼者も、調査結果を犯罪、違法な差別、その他の違法行為に使わない旨の書面を探偵業者へ交付します。探偵業者が違法な利用目的を知った場合は、その業務を行ってはなりません。
GPS機器や紛失防止タグを相手の車両等へ無断で取り付け、位置情報を取得する行為は、関係性、目的、態様によってストーカー規制法等の規制対象になり得ます。警察庁は、2025年12月30日から紛失防止タグを用いた位置情報の無承諾取得等も規制対象になったと案内しています。機器を自分で設置せず、利用可否は警察や弁護士へ確認してください。
契約前に重要事項の書面が交付される
探偵業者は契約前に、重要事項を記載した書面を交付して説明する必要があります。確認対象には次のような項目があります。
- 探偵業者の商号、名称、代表者等
- 届出に関する事項
- 秘密保持と資料管理
- 提供できる調査の内容
- 他の探偵業者へ委託するか
- 支払う金銭の概算額
- 契約の解除
- 調査資料の処分
特に金銭の概算額は、一般的な料金表だけでなく、依頼に伴って支払う可能性のある総額と算出根拠を確認します。
契約後にも契約内容の書面が交付される
契約を締結した後は、契約内容を明らかにする書面が交付されます。調査の内容、期間、方法、結果の報告方法、金額、支払時期などが、契約前の説明と一致しているかを確認してください。
口頭で説明された割引、延長前の連絡、追加料金の上限なども、必要なら書面へ反映してもらいます。
秘密保持と資料の管理が義務付けられる
探偵業務に従事する人は、業務上知った秘密を漏らしてはなりません。探偵業者には、作成・取得した資料が不正または不当に利用されないよう防止措置を取る義務があります。
相談時には、連絡方法、報告書の受け渡し、写真や動画の保管期間、契約終了後の廃棄方法を確認します。共有端末や家族が見られるメールアドレスを使う場合は、連絡方法も事前に相談してください。
行政処分は都道府県警察等で公表される
探偵業法に基づく一部の行政処分は、各都道府県警察または公安委員会のウェブサイトで公表されます。契約を検討する営業所について、所在地を管轄する警察の情報を確認する方法があります。
公表期間や対象となる処分には条件があるため、検索結果がないことだけで評価を決めるのではなく、契約内容と事業者の説明も合わせて判断します。
制度の原文を確認する
制度の概要と都道府県警察へのリンクは、警察庁「探偵業について」で確認できます。2024年4月以降の標識掲示は警察庁の通達(PDF)、位置情報取得の規制は警察庁「ストーカー規制法が改正されました!」も確認してください。法律や運用は改正される可能性があるため、契約時点の最新情報を確認してください。
この記事は制度の一般的な説明であり、個別の法律相談ではありません。調査結果を裁判や交渉に使う場合、契約トラブルがある場合は、弁護士や消費生活相談窓口へ相談してください。